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キャメロンも後に続け 5月26日

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2016.5.26 05:04

【産経抄】キャメロンも後に続け 5月26日

 EU離脱か、それとも残留か。来月の国民投票を目前に控えて、英国では国論が真っ二つに割れている。実は、核保有の是非をめぐるもう一つの議論が、10年前から続いてきた。

 ▼英国は現在、核兵器を搭載する原子力潜水艦4隻を所有している。その更新の時期が近づき、英政府は新型潜水艦の建造計画を進める考えだ。ただ、問題は、日本円で6兆円近いコストである。この機会に核を放棄して国民生活の向上に使うべきだ、との意見も根強い。

 ▼英国は、米ソに続き3番目の保有国となった。ただ現在の日本と違い、近隣諸国の核の脅威にさらされているわけではない。冷戦後、核戦力の約70%を削減してきた。最低限の「核抑止力」で、国際社会での発言力を確保したい、との思惑もあるようだ。

 ▼明日の午後、米国のオバマ大統領が、現職の大統領として初めて広島を訪れる。原爆を投下した国の指導者が、慰霊碑に花を手向け、広島、長崎で犠牲となった、40万人の声なき声に耳を傾ける。唯一の被爆国の首脳である、安倍晋三首相と手を携える。その歴史的意義は、とてつもなく大きい。

 ▼同時にオバマ大統領が、平和記念公園に足を踏み入れる、初の核保有国の現職首脳である点も強調しておきたい。サミットに参加するキャメロン英首相やオランド仏大統領も、同行してほしかった。原爆投下がどれほどの惨禍をもたらしたのか。核保有国の国民にもっと知られれば、核軍縮への動きは加速する。

 ▼それは、核弾頭保有数をいまだに明らかにしていない中国や、国際社会の制裁を無視して、核実験を続ける北朝鮮への強力な圧力にもなり得る。オバマ大統領が、プラハでの演説で核兵器廃絶を訴えてから7年、広島では何を語るのか


タグ:産経抄
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