限界効用理論で知られる英国の経済学者ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズが、世に知られたのは1865年に出版した「石炭問題」でした。

 ジェヴォンズは、英国の石炭消費量が産業革命以来年率3.5%で増加していたので、「出版当時の石炭年産量約1億トンは、100年経てば約26億トンに達する。やがて石炭が尽きる」と指摘しました。

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 石炭が尽きれば産業を支えるエネルギーはなくなり、産業革命前に産業と生活は逆戻りするはずとし、英国の石炭の埋蔵量は当時90億トンでしたので、100年以内に成長はなくなり人口増も止まると、ジェヴォンズは主張しました。

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