エネルギー価格の高騰に対して、日本ではエネルギー関連の補助金で乗り切ろうとしている。この補助金は2023年9月末までで6兆円、12月まででさらに1.2兆円かかるようである(「ガソリン15年ぶり最高値」日本経済新聞2023年8月31日)。安易に補助金を支給し続けていて良いのだろうか。

ガソリンの高騰に対し、政府は補助金で対応している(西村尚己/アフロ)

エネルギー補助金は豊かな人への支援

 これは長期的にはまずい効果をもたらすと言える。なぜなら、多くの人が指摘していることだが、エネルギー価格の高騰は、エネルギーが足りないことを示すものだ。あるいは二酸化炭素(CO₂)の排出を抑えて気候変動を抑制しなければならないのに、価格を抑えていたら、これまで通りエネルギーを使って良いというシグナルを送ることになる。

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