8月24日に開始された福島第1原発関連の処理水の海洋放出をめぐって、中国側の異常な反応が目立つ。中国側は今年1月あたりからこの件について言及を開始し、すでに更迭された秦剛前外相も、今年3月の就任記者会見で明確に言及している。以降、処理水の海洋放出については、その安全性が科学的かつ客観的に担保されているにもかかわらず、中国側は日本に対する一方的で非科学的な論難を、次第にエスカレートさせてきた。

香港の日本総領事館前での抗議デモ(写真:AP/アフロ)

 おそらく中国側が処理水について言及をはじめた背景には、日本が米国主導の対中半導体規制に協力し、また、台湾情勢についても中国の武力介入を許さない姿勢を明確化するなかで、対日牽制のカードとして利用する意味合いがあったと推測される。しかし、これは結果として中国にとっての悪手となった。

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