Wedge8月号の特集「日本の少子化対策 異次元よりも『本音』の議論を」のパート4-1では仕事と子育ての両立支援に取り組む富山県の中小企業2社を紹介している。鋳物メーカーの「能作」(富山県高岡市)と美容商材卸の「モリタ」(富山県射水市)は、両社ともに〝男の世界〟とされる業界で女性社員が増加。産後の女性社員の職場復帰率100%を果たし、男女共に子育てしながら働きやすい職場作りに熱心だ。能作は創業から100年以上。モリタも創業88年と、企業としての息が長い。「100年続く企業」の共通点は何か――。後編では、二つ目の共通点をレポートする。

 100年続く企業には子育て社員を大切にするほか、もう一つの共通点がある。それは、業界全体の活性化を考える地域貢献型の企業であることだ。

 能作の場合、産業観光事業を「地域の伝統産業である鋳物づくりを知ってもらう入り口」と考えており、日々、受け入れている工場見学は無料で行っている。スタッフが工場を案内し、職人の仕事を知ることができる。能作の工場を見学してから毎日のように「職人になるにはどうしたらいいか」と親に尋ねる子どももいるという。

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