シンガポールのリー・シェンロン首相は今年4月、同国の国会で、米中の緊張が高まる中、最も危ない発火点は台湾だと指摘した。米中衝突は台湾周辺でいつでも起こりうる。中でも南シナ海に浮かぶ小さな東沙諸島が、特に危険な火薬庫になる恐れがある。

台湾も海軍初の排水量1万トン級の大型新型揚陸艦「玉山」を就役し、離島防衛を強化する(写真は22年9月の引き渡し式、ロイター/アフロ)

 東沙諸島は台湾の高雄市が管轄し、台湾本島からの距離は約480キロメートル。東にバシー海峡、西に中国・海南島。香港から310キロメートルと近く、広東や香港に向かう船にとって玄関口に位置する。

 最大の東沙島(プラタス島)は面積1.79平方キロメートル、海抜は最高7.8メートルの平らな島。青い海に浮かぶサンゴ砂の白い孤島は、美しさと裏腹にきな臭さに包まれている。

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