激しい攻防が続くウクライナ戦争の趨勢が、来年米大統領選結果次第で劇的に変わるとの見方が、西側有識者の間で広がりつつある。とくに、ドナルド・トランプ候補が再選を果たした場合、ウクライナ側がたちまち苦境に陥るというものだ。

(ロイター/アフロ)

揺れる戦況

 米ワシントンポスト紙は去る6月30日、ウクライナが年末までに、ロシアとの停戦交渉に乗り出す戦略を立てている、と報じた。

 ウィリアム・バーンズ米中央情報局(CIA)長官が最近、ウクライナを極秘訪問、情報交換した際、同国政府当局から、①今秋までにロシア軍が占拠している領土のかなりの部分を奪回する、②ロシアが2014年以来、実効支配しているクリミア半島との境界ライン沿いに大口径火器・ミサイルシステムを配置する、③ウクライナ東部にさらに進軍する――ことなどを前提として有利な立場で交渉に入る考えを伝えられたという。

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