学習院女子部の正門

 秋篠宮家はなぜ学習院を避けるのか?という疑問を起点に、学習院における上流階級教育の意義を論じた『学習院女子と皇室』(新潮新書)を上梓した藤澤志穂子氏は、親子4代学習院出身というOGである。藤澤氏は同書を執筆するにあたり、学習院女子中・高等科の同窓会誌を、明治時代に刊行された創刊号から読み直すという作業を行った。同窓会「常磐会」の「ふかみどり」である。

 貴重な資料を丹念に読み込むと、外からは見えない皇族の素顔が見えて来るという。あまり外部に知られることのない同窓会誌の中から興味深いエピソードを紹介する。(JBpress)

※本稿は『学習院女子と皇室』(藤澤志穂子著、新潮新書)第5章を再構成したものです。

「常磐会」会員には多くの女性皇族も

 学習院の同窓会には、幼稚園から大学院まで、全ての卒業生が入る「桜友会」があります。いっぽう女子には別の組織があります。学習院女子短期大学と、短大が改組された学習院女子大学は「草上会」、そして女子高等科卒業生は「常磐会」という、華族女学校にルーツを持つ同窓会があります。

「常磐会」は華族女学校で1895年に創立されました。すでに130年近い歴史を持っています。

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