昨年9月に厚生労働省が公表した「人口動態統計」によると、2021年に自宅で亡くなった人の割合は17.2%だったそうだ。新型コロナウイルス禍の影響と「最後は家で過ごしたい」という希望する人が増えたことで、近年在宅での死亡率は増加傾向にあるという。

(Chinnapong/gettyimages)

 筆者の父は2021年末に自宅にて亡くなったので、この17.2%の中に入っている。大動脈解離で緊急入院し、患部は回復したものの2カ月の入院でモノが食べられなくなった。そして退院から死亡日までの17日間、家族とともに最後の時を過ごした。

 退院時には「家ならまた食べられるようになるかも!」と家族は体調回復を信じ、生きるための退院だと認識していたが、その後父の状態を見続けていくうちに「これは看取りなんだ」と気付く。あれから1年経ち、看取りの経験は父の最期のプレゼントだったと感じている。

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