『スラムダンク』(井上雄彦、集英社)

 本質は古典に帰依している。それを感じさせてくれるのが、スポーツ漫画史上1位と呼び声高い『スラムダンク』(井上雄彦、集英社)だ。

 この連載でも『アオアシ』(小林有吾、上野直彦、小学館)など、スポーツ分野に影響を与えた作品を取り上げてきたが、『スラムダンク』に並ぶほどのインパクトがあった作品は、『キャプテン翼』(高橋陽一、集英社)ぐらいしか見当たらないのではないだろうか。

 しかしこの『スラムダンク』、連載開始当初には疑問の声が上がっていた。「バスケなんてマイナースポーツを扱っても人気にならない」。バスケットボールが一般普及した現代からは考えられないようなイメージであるが、それだけ本作品がブームになったことで、バスケの知名度と人気は吹き上がり、中学・高校でのバスケ部人気もうなぎ上りになったという経緯があるのだ。

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