2023年2月に5000品目を超える食品や飲料が値上げを予定しているとの調査結果が先ごろ信用調査会社によって発表された。原油価格の高騰、ロシアによるウクライナ侵攻による穀物輸出等の減少、長引く新型コロナウイルスによる半導体および工業製品の供給遅れなどにより、物価は継続的に上昇している。

(mohd izzuan/gettyimages)

 これにより、日本銀行が「異次元の金融政策」のもと目標としてきた年2%の物価上昇(インフレ)率は、名目的には達成されたものの、賃金の上昇を伴ういわゆる「好循環」下のインフレーションとはなっていない。このため、図1に示すように、名目賃金から物価上昇分を差し引いた、実質賃金はむしろ下落している。

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