辞書の語釈を忘れるようでなければ、その言葉は自分のモノにならない(写真:アフロ)

 1980年代頃から、テレビや新聞などから難しい言葉がどんどん消えていった。言葉遣いを平易にすることで、より多くの人に見てもらう・読んでもらうための取り組みである。しかし、言葉はそれぞれ意味が異なり、どんな言葉にも意味がある。

 言葉を通して世界を認識する私たちが言葉を失っていけば、それだけ世界を感じる方法もまた失われてしまう。これはもしかしたら相当恐ろしいことなのではないか。『教養としての上級語彙 知的人生のための500語』(新潮選書)を上梓した評論家の宮崎哲弥氏に話を聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト)

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