事前通告もなく、北朝鮮は10月4日朝、「火星12」とみられる中距離弾道ミサイルを発射、ミサイルは青森県の上空を通過、過去最長となる約4600キロメートル飛翔し、太平洋上に着弾した。北朝鮮のミサイルが日本上空を通過したのは、5年ぶり7度目で、付近を飛行する民航機や航行する船舶に甚大な被害を及ぼしかねない暴挙だった。

北朝鮮が10月4日に発射した過去最長飛距離の中距離弾道ミサイル。危機は近くまで来ている(ZUMA Press/アフロ)

安保理機能せず、暴走する北朝鮮

 この事態に国連安全保障理事会は緊急会合を開いたが、拒否権を持つロシアと中国の反対で、北朝鮮に対する非難声明すら出すことはできなかった。中露が反対した理由は「ミサイル発射は、米国の北朝鮮に対する軍事行動の結果だ」という北朝鮮の主張そのままで、呼応するように、北朝鮮は「米国は朝鮮半島の情勢安定に重大な脅威を与えている」との談話を発表、その直後、日本海に向けて変則軌道を含む2発の弾道ミサイルを発射した。

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