岸田文雄首相は、10月3日衆院本会議での所信表明演説で、企業人のリスキング(学び直し)の支援に5年間で1兆円を投じると表明した。この点に関する首相の演説内容は以下の通りだ。

 「また、リスキリング、すなわち、成長分野に移動するための学び直しへの支援策の整備や、年功制の職能給から、日本に合った職務給への移行など、企業間、産業間での労働移動円滑化に向けた指針を、来年6月までに取りまとめます。特に、個人のリスキリングに対する公的支援については、人への投資策を、「5年間で1兆円」のパッケージに拡充します」

 この演説には重大な問題がある。大前提である、リスキングの定義が間違っているのだ。

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