今、ハイブリッド戦が戦争の様相を大きく変化させつつある。防衛省はハイブリッド戦について「軍事と非軍事の境界を意図的に曖昧にした現状変更の手法であり、相手方に軍事面にとどまらない複雑な対応を強いることになる。例えば、国籍を隠した不明部隊を用いた作戦、サイバー攻撃による通信・重要インフラの妨害、インターネットやメディアを通じた偽情報の流布などによる影響工作を複合的に用いた手法」との認識を公表している。

ハイブリッド戦が進む現代では、自衛隊だけで国を守ることは難しい(ロイター/アフロ)

 ロシアによるウクライナ侵攻を見ても、軍事面では歩兵や火砲や戦車が主役となる第二次世界大戦と同様の地上戦が行われる一方で、SNSでやり取りされた情報に基づいて民間人が民生品ドローンを使って敵を攻撃している。また、スペースX社が提供した通信衛星サービス「スターリンク」は、ウクライナ政府、軍、住民に通信環境を提供し、情報戦におけるウクライナの優位に大きく寄与している。

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