当初、〝ウィズコロナ〟だった日本の新型コロナ対策はいつの間にか忘れ去られた。感染と経済・社会のリスク最適化を図るために、政府の覚悟と実行力が問われる。「Wedge」2022年4月号に掲載されているWEDGE SPECIAL OPINION「政府、分科会、首長よ コロナ対応の転換から逃げるな」では、そこに欠かせない視点を提言しております。記事内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。
 「規制は経済や社会、精神的な健康、子どもたちの人生の機会に大きな犠牲を強いる。これ以上その代償を払う必要はない」
 英国のボリス・ジョンソン首相は今年2月21日、新型コロナウイルスに関する規制の全面撤廃をこのように発表した。米国でも3月2日に連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がコロナ危機以来続けてきたゼロ金利政策を終える考えを表明するなど、各国は社会経済活動の正常化に向け舵を切り始めている。
 一方の日本では、またも3月3日に18都道府県のまん延防止等重点措置の延長が発表された。感染者数は欧米に比べて圧倒的に少ないにもかかわらず、先進国の中でまるで日本だけコロナ禍が続いているといえる状況だ。
 この2年間、わが国では新規感染者数の抑制に執着するあまり、日常生活のささやかな幸せが軽んじられ、財政難にもかかわらず信じられないほどのバラマキを続けている。
 政治やマスコミが国民に刷り込んだ新型コロナに対する恐怖感を払拭することは容易ではない。しかし、国民の批判を恐れて世論に阿り、リーダーが決断を先延ばしにしていては、〝ウィズコロナ〟など夢のまた夢だ。
 「宣言とかという言葉でコロナは抑えられない」
 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を政府に要請しない理由について、奈良県の荒井正吾知事は1月19日にこのように述べた。今政治に求められているのは、「強い覚悟」と「決断力」でウィズコロナの実現に向けて舵を切ることである。
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