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 NHKスペシャル「パンデミック 激動の世界」(8月29日・30日)の「ウイルス襲来 瀬戸際の132日・前後編」は、日本で新型コロナウイルスの初めての感染者がでてから、緊急事態宣言が全面解除された5月25日までの132日間の真相を探ったドキュメンタリーの力作である。

 番組を進行する、大越健介キャスターが見るものに語り掛けるように、感染を防ぎながら経済を回すという難題は解決されていない。「科学の知見と政治家の発信力」がともに必要であることを改めて認識させる。

 中国・武漢からの帰国者の検体が、国立感染症研究所に搬入されたのは、1月14日のことである。翌日に検体から陽性反応が出た。松山州徳室長は当時を振り返って「まだ制御できると思った」という。

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