【自衛隊と災害派遣】「国の防衛」に割くはずの時間や能力が… 「人命救助」で犠牲になるもの
「人命救助のためなら自衛隊はいつでも躊躇(ちゅうちょ)なく災害現場に駆けつけます」
前海上幕僚長、村川豊氏の決然とした言葉を思い出す。
災害派遣は時間との勝負である。人間が飲まず食わずで生存できる「黄金の72時間」。これ以降の生存率はガタッと落ちる。
近年、特に緊急を要する場合には、自治体からの要請を待たずに防衛相が部隊の自主派遣を命じることが可能になった。自衛隊はより迅速な人命救助のために進化してきた。
自衛隊は地震や風水害、火災、噴火や雪害、大規模な事故など、さまざまな場面に派遣される。遠い演習地にいては必要物資を十分に積み込めない。また、発災してから動くのでは遅すぎる。だから、巨大台風の接近など災害が予想される場合には、遠方で演習中の部隊が呼び戻され、要請前でも事前準備に入るのである。
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