パワーハラスメントによる被害が後を絶たない。だが、小さな会社では、はるか前から日常茶飯事に見られた光景である。それを多くの人が少なくとも数十年間、黙認してきたがゆえにここまでの広がりをもってしまったととらえることもできるのではないか。

(LewisTsePuiLung/gettyimages)

 

 今回は、パワハラの古典的な職場である中小企業の部長職の男性(49歳)に「仕事で関わった人を次々と潰してしまう34歳の課長」について語ってもらった。

 この課長は部長の部下ではないが、同じフロアに勤務するために、ふだんから観察ができるという。筆者は、10年以上前から部長とは取材を通じて様々な事例の提供を受ける関係だ。

 今回の事例は特定がされないように、匿名とした。特に取材(聞き取り)のポイントは、主に次の点である。

 「パワハラをする課長はなぜ、その上の上司や周囲から問題視されないのか」
 「なぜ、堂々と不当ともいえる行為を繰り返すことができるのか」

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