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【明治の50冊】(40)岡倉天心『茶の本』 平和の精神と輝く気概 [◉日本流を考える]

【明治の50冊】(40)岡倉天心『茶の本』 平和の精神と輝く気概

【明治の50冊】(40)岡倉天心『茶の本』 平和の精神と輝く気概
岡倉天心(茨城県天心記念五浦美術館所蔵)
 2016年、世界の名作が採用される英国のペンギン・ブックス双書に『茶の本』は加えられた。欧米においても、いまなおその価値が失われていない証しだろう。本書は米国ボストン美術館中国・日本美術部長を務めていた岡倉天心が英語で執筆し、1906(明治39)年、ニューヨークの出版社から『The Book of Tea』として刊行された。邦訳は29(昭和4)年。岩波文庫の一冊として刊行され、これまでの発行部数は118刷56万部に達している。堂々たるロングセラーだ。
 19世紀中葉以降、欧州ではジャポニスム(日本趣味)が流行した。日本から流出した浮世絵や1867年に開催されたパリ万博に日本政府が出品した美術工芸品がきっかけだった。20世紀初頭になると、日本は大国ロシアを打ち負かし、列強の一角に名を連ねるようになる。日本人はどんな文化を持った民族なのか、欧米の知識人は日本への関心を高めていった。そんな折に登場した本書は、時間をおかずスウェーデン、ドイツ、フランス、スペインなどでも翻訳された。
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