米中貿易摩擦 「中国封じ込め」日本の選択は 編集委員・田村秀男 [ 2>「経済解説」]
トランプ米政権が発動した2000億ドルの対中制裁関税は、中国封じ込めの本格化を告げる。
トランプ米大統領の対中強硬策は、旧ソ連を崩壊に導いたレーガン政策を思い起こさせる。1980年代、ソ連は急増するエネルギー輸出収入を原資に軍事攻勢をかけた。米国は高金利政策をとり、エネルギー価格を暴落させた。経済がジリ貧になったゴルバチョフ政権(当時)の自由化改革の結末は、共産党体制の崩壊だった。米国が基軸通貨ドルを武器に覇権への挑戦を許さない構図は「米中貿易戦争」もしかりである。
中国人民銀行が流入するドルを固定した基準レートで買い上げて人民元資金を発行する中国は、旧ソ連以上のドル依存型システムである。リーマン・ショック後、現在までの10年間の中国の対米貿易黒字の累計は2兆8500億ドル、人民元発行増加額はドル換算でやはり2兆8500億ドルだ。
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