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1強・・それぐらいの存在でなければ、一癖も二癖もある各国のリーダーたちと渡り合えない

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【産経抄】7月21日

 通常国会は20日に実質的に閉幕し、永田町の関心事は今後、9月の自民党総裁選一色に染まっていく。今のところ安倍晋三首相の連続3選の可能性が高いが、政界一寸先は闇である。昭和53年の総裁選で、大平正芳氏に敗れた福田赳夫氏はこんな名セリフを吐いた。「天の声にも変な声がたまにはある」。

 ▼平成24年の総裁選での安倍首相の勝利も、ある意味で番狂わせだった。5人の立候補者のうち、下馬評では本命どころか3番手がいいところだとされていた。持病の悪化で、1年間で政権を手放した弱い政治家だとのイメージも根強く残っていた。

 ▼ところが、他の有力候補が失言を繰り返したり、病を得て入院したりで勝手に失速していく。結局、安倍首相は第1回投票では2位につけ、決選投票で実に56年ぶりの逆転勝利を果たし、総裁の座に返り咲いた。ツキの波が押し寄せているように感じた。

 ▼司馬遼太郎さんが日露戦争を描いた国民的小説『坂の上の雲』に、明治天皇がなぜ地味な存在だった東郷平八郎を連合艦隊司令長官に抜擢(ばってき)したのかと尋ねる場面がある。海相、山本権兵衛はこう答える。「東郷は運のいい男ですから」。

 ▼5年5カ月と戦後4位の長期政権を築いた小泉純一郎元首相は、かつて東京都内での街頭演説で、この人らしく明け透けに述べていた。「運というのは大事ですよ。人間やっぱり努力、才能もあるけど、ほとんど運ですよ」。

 ▼まだ誰も正式に出馬表明していない段階で気が早い話ではあるが、事実上、首相となる自民党総裁には強運の持ち主に就いてほしい。そして「1強」と呼ばれ、長く政権を担当してもらいたい。それぐらいの存在でなければ、一癖も二癖もある各国のリーダーたちと渡り合えない。


タグ:産経抄
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