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【書評】作家、伊東潤氏が読む『決定版 日本刀大全』(原田道寛著) 刀剣にまつわる人間悲喜劇

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【書評】作家、伊東潤氏が読む『決定版 日本刀大全』(原田道寛著) 刀剣にまつわる人間悲喜劇

『決定版日本刀大全』原田道寛著(河出書房新社・2800円+税)

 

 先日、NHKの歴史番組に出演したのだが、その時のテーマが「日本刀」だった。そこで「人はなぜ刀剣に魅せられるのか」から「刀剣に人格を持たせるゲームが、なぜ流行(はや)っているのか」という話題になった。その場では、「日本には鉄を崇(あが)める文化があり、それが遺伝子に染み付いているがゆえに、鉄でできたものに人格を持たせ、ときには神格化するのではないか」という結論に至った。

 確かに刀剣以外にも、自動車、電車、軍艦といった鉄製のものに人格を持たせたゲームがある。しかし同じ鉄を原料としていても、刀剣には、ほかのものにはない神秘性がある。

 その息をのむ美しさと、人を殺せる武器という対照性、刀工の精神性の高さ、製法の複雑さと難しさ、二つとして同じ物のない希少性、来歴や命名の妙、所有者たちのドラマといったものに、刀剣の魅力は集約されるだろう。

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