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法廷と議会の区別も出来ない国会と野党の国会議員たち

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【産経抄】5月12日

 新聞の1面トップ記事は、編集者がその日一番のニュースだと判断したものを充てる。在京各紙の11日付朝刊は、史上初の米朝首脳会談が6月12日にシンガポールで開催と決まったことを報じる記事がトップを飾ったが、東京新聞だけは独自性を発揮していた。柳瀬唯夫元首相秘書官の国会参考人招致を取り上げたのである。

 ▼もちろん、何をどう扱おうと自由であり好きにしたらいい。ただ、余計なお世話を承知でいえば、首相秘書官が地方自治体職員と面会したとかしないとかが、核・ミサイル危機や拉致問題よりも重要であるとはどうしても思えない。

 ▼野党議員も事の軽重、優先順位を理解しているのか。「証人や参考人が証言をすればより疑惑が深まる」。立憲民主党の福山哲郎幹事長は11日、国会内でこう述べ、さらに疑惑追及に努める考えを表明した。自分たちも不毛だと分かっているだろうに。

 ▼哲学者の故田中美知太郎さんは、昭和49年4月3日付小紙「正論」欄で嘆いていた。「今日の日本では議会と法廷の区別がつかず、むやみに裁判じみた議論が議会討論の大部分を占め、三百代言的な人たちが主役になったりする。44年たっても何の進歩もない。

 ▼「三面記事的な事件を天下の一大事のように仕立てて争う方が情緒的に動かされやすいわが国民を相手にする場合、たしかに有効な作戦」。田中さんは、55年6月3日付の同欄ではこう皮肉っている。安易な報道のあり方とも通底する問題である。

 ▼5日付小欄で、政治評論家の故三宅久之さんが語ったと紹介した憲法9条と台風をめぐる名言は、田中さんの著書が原典だとのご指摘を読者からいただいた。勉強不足を深く反省し、田中さんの文章を読み直した次第です。


タグ:産経抄
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