おカネの教育は、まだ早いと思う時期から始めるべきだ(写真はイメージ)

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 自分が翻訳した新しい書籍が出ると、いつもフェイスブックで友人知人に紹介する。この1月には、米ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラーの書籍『「おカネの天才」の育て方 一生おカネに困らないために、親が子供に伝えるべき「おカネの話」』(ベス・コブリナー著、日経BP社)が発売された。「親がどんぶり勘定でも、子供をおカネの天才にできる」と投稿してこの本を宣伝したところ、友人たちが面白い反応を示した。「わたしもどんぶりです!」というコメントがたくさん飛んできた。そのコメントの調子がみな、どちらかというと誇らしげだったのだ。

 ビジネス書を読む層は、おそらく貧困にあえぐ人たちからは遠い。わたしを含めて周囲の「どんぶり親」たちは、これまでどんぶりで無難にやってこられたのだから、これからも大丈夫だと思っているのだろう。むしろ、「どんぶり」でも余裕があることを、誇らしく思っている可能性もある。また、おカネに細かい人は、心が狭そうなイメージがある。だから、「どんぶり」は後ろめたいことではなく、人間的な魅力のひとつだとわたしたちは思いたがる。

 だが、本当にそうなのだろうか?

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