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【浪速風】封を切れば「保守の遺言」 西部邁さんから(3月3日) [【動】憂  国]

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【浪速風】封を切れば「保守の遺言」 西部邁さんから(3月3日)

今年1月に亡くなった西部邁さん

 

 知り合った人や出版社から、ときおり本を送っていただく。著者の思いと労力がこもったものだから、目を通し、必要なら礼状を書く。あるとき封を切って目を見開いた。1月に死去した評論家、西部邁さんの「保守の遺言」(平凡社新書)だった。表書きを見ると「著者謹呈」とある。

 ▼小欄が東京にいたころ、親しくさせていただいた。大阪に戻って会う機会は減ってしまったが、著作の多くを読んできた。今も敬意と愛情を抱いている。他者に迷惑をかけるなら自裁すると以前から語っていた。自殺を認めるわけではないが、入水を聞いて西部さんは自らの思想を貫かれたと思った。

 ▼本の末尾でご家族や親族に別れを告げている。「僕流の『生き方としての死に方』に同意はおろか理解もしてもらえないとわきまえつつも、このあとがきの場を借りてグッドバイそしてグッドラックといわせていただきたい」。ゆるんできた春の光のようにまろやかで、涙が出る。

 


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