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★【正論】戦闘を忌避する現代日本の文化 東京国際大学教授・村井友秀

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【正論】戦闘を忌避する現代日本の文化 東京国際大学教授・村井友秀

村井友秀氏(寺河内美奈撮影)

 軍隊は戦闘する集団である。「死ぬまで働け」「死んでも放すな」という会社もあるようだが、軍隊は比喩ではなく本当に死ぬまで働く。軍隊の本質は戦友は助けよ、自身は死すべし」ロシア軍のスローガン)というものであり、「1人の戦死者を回収するために3人の海兵隊員の犠牲をいとわない」(米海兵隊のスローガン)という組織である。

 ≪軍隊が成り立つ3つの要素≫

 軍隊の戦闘力は3つの要素で成り立っている。(1)文化(2)訓練(3)教育-である

 (1)兵士が死ぬまで戦うかすぐに降伏するか、戦う限度を決めるのはその国の文化である。戦争に勝つとは、損害が許容限度を超える前に戦争目的を達成することであり、戦争に負けるとは、戦争目的を達成する前に損害が許容限度を超えることである。

 損害の許容限度はその国の文化が決める。損害の許容限度は死傷者に痛みを感じる「死傷者感受性」の問題でもある。ただし、その限度は戦争目的によって変化する。戦争目的が死活的に重要である場合は許容限度は上昇し、周辺的な場合は低下する。

 (2)軍事訓練は、兵士の戦闘技術を向上させ行動を自動化する。軍事訓練を受けない集団では、臆病者はすぐに逃亡し勇敢な者は無謀な行動で無駄に死ぬだろう。軍事訓練の要点は組織的行動である。

 (3)教育は兵士に戦う目的を与える。「正義の戦い」「聖戦」のためなら兵士はよく戦う。兵士は自分の命よりも大事なもののために戦う。教育は兵士に民族や国家は個人の命より価値があると教える。宗教は兵士に「天国への近道」を教える。戦国時代に、最も戦闘力があるといわれた一向宗門徒は「進者往生極楽、退者無間地獄」と書いた旗を立てて戦った。

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タグ:戦闘を忌避
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