電気自動車企業テスラのイーロン・マスクがCEOを務めるスペースXが世界最大級のロケットの打ち上げに成功し、マスメディアから注目を浴びた。日本でもテレビのワイドショーをはじめ多くのメディアが取り上げた。朝日新聞・天声人語は「妄想を現実にし続けている」とマスクを持ちあげている。

宇宙をゆくマスク氏所有のEVテスラ「ロードスター」(Space X/Best Image/AFLO)

 

 しかし、マスクの世界は、それほどきれいごとではない。スペースXに加え、CEOを務めるテスラのため事業資金作りに余念がないマスクは、話題作りにもたけている。時としては、世間の耳目を集めることにより宣伝効果を狙う炎上商法を手掛けることも辞さない。いま、注目を浴びている炎上商法の商品は、マスクのトンネル掘削企業ボーリング社が手掛ける「火炎放射器」だ。

 2016年末スペースXの社員が、ロサンゼルスの本社社屋前の横断歩道でトラックに撥ねられる事故があった。この事故を受け、マスクはスペースX本社社屋からロサンゼルス国際空港までトンネルを掘ると発表し、即座にボーリング社を設立した。既にスペースXの駐車場で試験的な掘削を始めている。