IT業界では、米グーグルの地図情報サービス、インテルのCPU、マイクロソフトのOSなど、海外企業が多くのデファクトスタンダード(事実上の標準。以下、デファクト)を築いている。そして、自動運転やロボットなど新たな技術においても、デファクトを獲得すべく、欧米、中国の企業がしのぎを削っている。

(iStock.com/Tanasan10)

 

 デファクトを獲得すれば、その技術を利用する世界中の企業からロイヤルティを得るとともに、情報を吸い上げてビッグデータ化し、新たな技術を生み出すことができる。デファクトを獲得するには、革新的な技術と拡散力が必要となるが、欧米企業と比較して日本企業はその点が弱い。


 まず技術に関して、日本の大企業においては、総合電機メーカーのように各社がさまざまな事業を抱え、同じカテゴリーの製品を開発して競い合っているため、開発に費やすリソースも分散されている。これでは、質の高い製品という枠を超えた革新的な製品、技術を生み出し、標準化を進めることは難しい。

>>続きを読む