SSブログ

マンデラとムガベ「歴史上の巨人」と「最悪の独裁者」 11月17日

閉じる

【産経抄】マンデラとムガベ「歴史上の巨人」と「最悪の独裁者」 11月17日

 アフリカ南部ジンバブエのムガベ大統領(93)の妻、グレースさん(52)は「グッチ・グレース」と呼ばれている。高級ブランドがお好みらしい。気性の激しい女性でもある。今年8月には、隣国の南アフリカのホテルで、息子の知人の女性モデル(20)の顔を電気コードで殴り傷を負わせた。

 ▼首都ハラレで起きた国軍によるクーデターも、グレースさんが大きく関わっている。ムガベ氏は1980年の独立以来、37年間にわたり権力の座に君臨してきた。今月はじめ、長年の側近だったムナンガグワ第1副大統領(75)を解任して、グレースさんを後継者に指名しようとした。国軍がそれに異を唱えて、直接行動に出たわけだ。

 ▼先妻をがんで亡くしたムガベ氏は、96年に秘書だったグレースさんを妻にした。結婚式には、南アフリカのマンデラ大統領の姿もあった。2人は、ともに白人政権に対する闘争に勝利した盟友だった。もっとも、この後の指導者としての歩みは大きく異なる。

 ▼マンデラ氏は、白人との融和政策を進め、わずか1期で政界を引退する4年前に95歳で亡くなると、世界中から首脳が弔問に訪れ、「歴史上の巨人」とたたえられた。一方のムガベ氏は融和に逆行して、白人の農園を強制収用して黒人に分配した。反対勢力を武力で弾圧して、権力にしがみついてきた。欧米社会では「世界最悪の独裁者」の評価が定着している。

 ▼そんなジンバブエを支え続けたのが、中国である。ノーベル平和賞に対抗する「孔子平和賞」には、もちろんムガベ氏も選出した。今回の政変については、国軍の司令官が先週北京を訪問して説明しているようだ。

 ▼つまり後継者が誰であれ、中国政府の眼鏡にかなった人物であることだけは確かである

 


タグ:産経抄
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 2

コメント 0

Facebook コメント