(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年10月13日付)
ちょっと想像してみてほしい。鏡をのぞき込むと、そこには自分ではなくドナルド・トランプ氏の顔が映っている。
あなたが顔を歪めれば、鏡の中のトランプ氏も同時に顔を歪める。あなたがにっこりすればトランプ氏もにっこりし、あなたがしかめ面をすればトランプ氏もしかめ面をする。米国大統領の表情をリアルタイムでコントロールしているのだ。
「フェース2フェース」という技術を使えば、こんな不気味なことができるようになる。米カリフォルニア州のスタンフォード大学で研究者らが開発した、自分の顔の動きを動画に映っている他人の顔に移し替える技術だ。
次は、この「顔面再演」の技術と、トランプ大統領が過去に公の場で語ったことを巧みに編集した音声ファイルとを合体させると、どんなことになるか想像してみてほしい。
ずばり、トランプ氏が北朝鮮に核戦争を布告する、説得力のある動画を合成することが可能になる。
熱に侵されたような今の環境で、そんな動画が表に出れば、ホワイトハウスが慌てて否定しても間に合わないほどのスピードで、あっという間に拡散するかもしれない。
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