SSブログ

10何年たってからの「アムラー現象」 9月25日

閉じる

【産経抄】10何年たってからの「アムラー現象」 9月25日

17日に故郷・沖縄で25周年ライブをしたときの安室奈美恵さん。歌もダンスもセンス抜群、ファッションでも魅了してきた

 

 女優の竹下景子さんは、昭和48年にNHKで放映された少年ドラマのマドンナ役を務めた。お下げ髪のかれんな姿は、一人の高校生の心をわしづかみにした。高校生は十何年たって父となり、2人目の娘に「景子」と命名した。

 ▼「私の隠し事」がテーマだった、先週の談話室に寄せられた投稿である。「初恋の人の名前を次女につけ」。こんな川柳を以前、コラムで紹介した。憧れの女優の名前をひそかに次女につけた父親も、案外大勢いるのかもしれない。

 ▼「映画『暖流』の高峰三枝子はまた美しく 佳き時代の終りを告げる愁いがあった 魂奪われた元中学生の面々は 十何年もたってなお長女を啓子と名づけてる」。作家で詩人の故阪田寛夫さんの「拝啓」と題された作品である。昭和14年公開の映画で、高峰さんが演じたヒロインの名前が啓子だった。何十万の啓子さんが、拝啓の字にうんざりするのは、かつてヒロインに憧れた父親のせいだと、阪田さんはいう。実は阪田さんも、名付け親の一人である。

 ▼歌手の安室奈美恵さんが40歳の誕生日を迎えた先週20日、公式ホームページで引退を発表した。来年9月16日をもって、芸能界から完全に身を引くという。突然の幕引き宣言は、NHKが速報として流すほどの大ニュースとなった。

 ▼なにしろ、25年間の歌手生活で、CD、DVDの総売り上げは、3700万枚を超える。1990年代には、ミニスカートに靴底の厚いロングブーツ、細い眉を強調する化粧法など、安室さんのファッションをまねる「アムラー」が街にあふれていた。

 ▼一世を風靡(ふうび)したトップスターは、多くのファンの心に深く刻印を残しているはずである十何年たったら、果たしてどんな形で現れるだろう。


タグ:産経抄
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 0

Facebook コメント