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ブレーンに恵まれた家康を見倣え 7月31日

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【産経抄】ブレーンに恵まれた家康を見倣え 7月31日

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 関ケ原の戦いに勝利した徳川家康にとって、残る気がかりは豊臣家の存在だった。そこで目をつけたのが、秀吉の遺児、秀頼が再建した京都・方広寺大仏殿の釣り鐘である。刻まれている銘文「国家安康」が、家康の名を分割して呪うものだと、言いがかりをつけた。

 ▼この事件が、大坂の陣の原因となり、豊臣家の滅亡につながっていく。実は鐘の銘文について家康に知恵を授けたのは、南禅寺の僧、金地院崇伝(こんちいん・すうでん)だったといわれている。当時、「黒衣の宰相」の異名を取った、家康の政策ブレーンである。

 ▼トランプ米大統領にとっても、ブレーンの存在は欠かせない。そのなかでも政権の要の役割を果たしてきた、プリーバス大統領首席補佐官が更迭された。すでに政権発足以来、国家安全保障問題担当の補佐官や大統領報道官、FBI長官など、解任、辞任が相次いでいる。

 ▼トランプ氏はさらに、セッションズ司法長官への不満を公言してきた。一部のメディアは、ティラーソン国務長官辞任の可能性さえ報じている。高官同士のいがみ合いも表面化し、情報漏洩(ろうえい)が相次ぐ要因にもなっている。

 ▼家康の死後、その神号について論争が起きた。崇伝が「明神」を主張したのに対して、やはり家康の側近だった僧の天海は、「権現」を持ち出して一歩も引かない。結局、家康は「東照大権現」としてまつられることになった。家康の神格化は、幕府の治世の安定に大いに貢献した。

 ▼それにひきかえ、トランプ政権内で生じた深い亀裂は、米国の大統領の権威を失墜させるばかりである。治世の安定にはほど遠い。政権の弱体化は、世界情勢のさらなる不安定を招きつつある。笑いがとまらない、あの国、この国の指導者たちの顔が思い浮かぶ。

 


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