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第2のウォーターゲート事件? 5月12日

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【産経抄】第2のウォーターゲート事件? 5月12日

 米紙ワシントン・ポストのボブ・ウッドワード記者と「ディープスロート」と呼ばれた情報提供者との密会場所は、ビルの地下駐車場だった。盗聴を恐れて電話は利用せず、特別な合図で連絡を取り合った。

 ▼ウッドワード記者は、密会で得た極秘情報をもとに「ウォーターゲート」事件の真相に迫り、ニクソン大統領を辞任に追い込んだ。「ディープスロート」の正体は、30年後の2005年にようやく明らかになる。当時のFBI副長官、マーク・フェルト氏だった。

 ▼トランプ大統領によるコミーFBI長官の解任は、米政界、メディアに衝撃を与えている。コミー氏にとっても、まったく寝耳に水だったらしい。FBIは、大統領選挙中にロシア政府とトランプ陣営が癒着していたとの疑惑を捜査していた。

 ▼それだけに野党・民主党は、捜査妨害が目的ではないか、と批判を強めている。かつてニクソン大統領は、特別検察官を解任して追及を逃れようとした。「土曜日の夜の虐殺」と呼ばれるこの解任劇を引き合いに出して、「第2のウォーターゲート」と呼ぶ向きもある。

 ▼映画やミステリー小説でもおなじみのFBIは、セオドア・ルーズベルト大統領により1908年に創設された。議会や財界の腐敗をあぶり出すのが目的だった。歴代の長官のなかで、解任されたのは、過去に1人だけである。

 ▼48年間にわたってトップに君臨したエドガー・フーバーのように、大統領に指一本触れさせなかった長官もいた。そんな往年のパワーは失われたとしても、FBIにも「最強の捜査機関」としてのプライドがある。このまま引き下がるとは思えない。メディアの取材合戦も激しくなる。疑惑をめぐるドラマはまだまだ続きそうだ。

 


タグ:産経抄
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