モルヒネに代わる「副作用のない」鎮痛薬を開発か、研究

仏パリで撮影された錠剤〔AFPBB News

3月3日、東京大学は研究不正に対する処分として分子細胞生物学研究所(分生研)の加藤茂明・元教授ら4人を懲戒解雇相当、1人を諭旨解雇相当とすることを発表した。

東大は2014年に発表された調査委員会の報告書の中で、「学生らへの強圧的な態度や指導」が不正の背景と糾弾している。

懲戒解雇は6段階ある懲戒処分で最も重い。加藤元教授は退職金の一部を返還したという。

「相当」とつくのは、加藤元教授たちが既に引責辞任しており、東大が処分を下す立場にないからだ。

東大の処分に世間の違和感

読売新聞の取材に対し、加藤元教授は「到底承服できるものではありませんが、不服申し立ての手段はありません。道義的責任は痛感しており、その責任は果たしたつもりです」とコメントしている。

このコメントを読めば、「加藤元教授は反省が不十分のようだ」と感じる方が多いだろう。ところが、実態は異なる。マスコミは報じないが、医師や医学研究者の中には、東大の処分に違和感を抱く人が少なくない。実は私もそうだ。

私は、東大が今回のような処分をすれば、研究不正に対する隠蔽体質を助長しかねないと思う。その理由は東京大学の不正を働いた研究者への処分がダブルスタンダードになるからである。

確かに、加藤元教授の研究室は組織ぐるみで研究不正を行っていた。その意味で加藤元教授の責任は甚大だ。

ただ、彼がどの程度不正に関与したかは不明である。調査委員会も、加藤元教授が直接指示したとは認定していない。強制捜査権がない調査委員会でやれることには限界がある。

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