日本勢1位にはもううんざりだが、東京マラソンは石原さんの功績ですね? 小池さん 2月27日
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【産経抄】日本勢1位にはもううんざりだが、東京マラソンは石原さんの功績ですね? 小池さん 2月27日
東京マラソンの初開催を2年後に控えた2005年11月、当時の東京都知事、石原慎太郎氏は、ニューヨークシティー・マラソンを視察していた。
▼1970年に127人の市民ランナーで始まったこの大会をはじめ、世界の主要都市の市民マラソンは、長い時間をかけて発展してきた。東京マラソンはいきなり、3万人もの規模で始めた前例のない試みである。
▼石原氏は、スタートを待つランナーの中に日本人女性を見つけた。「東京でもやるから」。声をかけると、こんな要望が寄せられた。「完走したいので制限時間を7時間にしてください」。制限時間が長いほど多くのランナーが完走できて、達成感が得られる。ただその分、都心の道路を長時間封鎖しなければならない。石原氏側は、難色を示す警視庁を説き伏せたという。
▼築地市場の移転問題で改めて、石原都政にスポットが当たっている。少なくとも東京マラソンの実現は、大きな功績として挙げていい。今や、ニューヨークシティー・マラソンなどと肩を並べる、世界のメジャー大会の一つである。昨日行われた11回大会では、ゴール地点が東京ビッグサイトから東京駅前に変更となり、さらに魅力が増した。天候にも恵まれ、市民ランナーは早春の東京を満喫した。
▼東京マラソンをきっかけにして、他の都市でもマラソンブームが高まってきた。皮肉なことに、日本選手と世界のトップとの実力の差は広がるばかりである。リオ五輪でも惨敗した。かつてのお家芸の面影は、どこを探しても見当たらない。
▼昨日も男女ともに、ケニア選手の強さばかりが目立った。東京五輪・パラリンピックまであと3年しかない。日本勢で1位という言い方には、そろそろうんざりである。
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