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ゴルフは人間性が隠せない 2月10日

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2017.2.10 05:04

【産経抄】ゴルフは人間性が隠せない 2月10日

 故城山三郎さんは、40歳からゴルフを始めた。不眠症の治療のために、医師から勧められたという。ゴルフは健康を取り戻してくれただけではなく、交友関係を広げてくれた。作家として人間観察の場でもあった。

 ▼中曽根康弘元首相は、クラブを薙刀(なぎなた)のように大振りする。ボールはあらぬ方向に飛ぶものの、フェアウエーに戻すのがうまい。城山さんは「難局に強いゴルフ」と呼んでいた。前の組が詰まり待たされると、落ちている松ぼっくりを打って練習を始めるのが、宮沢喜一元首相である(『ゴルフの時間』)。スコットランドの俚諺(りげん)にもある。「ゴルフと賭け事、この2つだけは絶対に人間性が隠せない」。

 ▼訪米中の安倍晋三首相とトランプ米大統領が、首脳会談の後に行うゴルフについて、批判がある。国際的に反発の声が高まるトランプ氏と親しくなりすぎるのは、危険だというのだ。気にすることはない。世界の指導者の中で最初に、謎と矛盾に満ちた米大統領の人柄を確かめる機会を得たのだ。逃すのはあまりにももったいない。

 ▼オバマ前大統領もゴルフ好きだった。安倍首相は2013年の訪米時、土産としてゴルフのパターを持参した。会談で披露したのが、首相の祖父、岸信介元首相が昭和32年に訪米した際、アイゼンハワー元大統領とゴルフをしたエピソードである。

 ▼プレーの後、ともにシャワーも浴びた元首相の印象について、アイゼンハワー氏はこう語っている。「大統領ともなると、嫌なヤツとも笑いながら話をしなければならない。ところがゴルフは、好ましく思う相手でないと一緒にやれないものだ」。

 ▼結局、安倍首相とオバマ氏とのゴルフは実現しなかった。馬が合う相手とはいえなかったようだ。


タグ:産経抄
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