SSブログ

大統領になりそこねた男 2月3日

閉じる

2017.2.3 05:04

【産経抄】大統領になりそこねた男 2月3日

 李氏朝鮮の名宰相、柳成龍(リュ・ソンニョン)は、豊臣秀吉による朝鮮出兵から国を守り抜いた。昨年5月、韓国に帰った当時の潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、救国の英雄の旧宅に立ち寄り、記者団にこう語った。

 ▼「みんなと国家発展のために進んでいくことを願う気持ちで訪れた」。柳成龍にあやかって大統領選への意欲を示したものと、受け止められた。世論調査でもトップを走っていた。

 ▼残念ながら国連事務総長としては、2期10年も務めながら存在感が薄かった。印象に残っているのは、日米欧の首脳らが軒並み欠席するなか、中国の抗日戦争勝利70年記念行事に出席した姿である。

 ▼国際社会から「中立的でない」と批判されても、意に介さなかった。大統領としての将来を見すえて、中国におもねったと解釈すれば納得がいく。慰安婦問題をめぐる日韓合意を高く評価したのも、蜜月関係にあった朴槿恵大統領の支持を期待してのことだろう。

 ▼もっとも、朴大統領の一連の疑惑発覚によりシナリオが狂った大統領に距離を置き、日韓合意反対へと立場を変えても、もはや勝算が立たなかったようだ。潘氏は不出馬を決めた理由として、「政界の利己主義への失望」を挙げた。正しくは、権力を求めるだけの潘氏に国民が失望したのだ。

 ▼東京基督教大学の西岡力さんによれば、大統領弾劾が決定して大統領選に突入すれば、左派候補が勝利するのは確実だ。そうなれば、北朝鮮との統一という悪夢が現実となり得る。柳成龍のような不屈の政治家は、今のところ保守陣営に見当たらない。とすれば、国民が民主主義の危機に気づき、憲法裁判所に弾劾棄却という理性的な判断を促すしかない。西岡さんは昨日の正論欄で、可能性は十分あると指摘していた。

 


タグ:産経抄
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 0

Facebook コメント