今回は、労働組合・東京管理職ユニオン委員長の鈴木剛さんを取材した。

 日々、多くの会社員などから労働相談を受ける。その多くは、上司からのパワハラやいじめ、退職強要などである。賃金の不払い、不当な解雇やセクハラなども少なくない。最近は、上司をいじめる部下もいるという。その裏には、あいまいな人事評価システムなどがある。その評価システムを悪用する会社もあり、もはや、カルト化しつつあるようだ。

上司をいじめる、粘着質な部下

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 「使えない部下」を通り越し、「困り果てた部下」がいます。最近も、そのような部下について労働相談を受けました。相談に現れたのは、大手の金融機関に勤務する50代半ばの男性。愛社精神旺盛で、仕事もできる方です。ある地域を統括する所長をしていました。

 こんな優秀な方が、部下である40歳前後の男性からいじめを受けているのです。男性はそのエリアに20年近く勤務している、現地採用の社員。役職はないのですが、管理職以上の力をもっているそうです。同僚や後輩、ときには所長にも、激しく言い返したりします。前々から周囲に攻撃的で、ブイブイと言わせてきたタイプのようです。

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