今回は、元プロ野球の巨人や近鉄の投手で、現在、建設会社・スチールエンジ株式会社(中央区)代表取締役社長である 松谷竜二郎さん(52歳)を取材した。

 松谷社長は1988年、ドラフト2位で巨人に投手として入団。藤田元司、長嶋茂雄の2人の監督に仕えた。1995年には近鉄へ移籍し、97年に引退。その後、建設業界の会社に就職し、2003年からスチールエンジの社長を務める。社長就任後、巨人OBの王貞治に出会い大きな影響を受け、今日に至る。

「元プロ野球の選手」なんて肩書きは通用しません

松谷竜二郎さん

 1997年にプロ野球(近鉄)を引退したときに、考え抜きました。「なぜ、自分はダメだったのだろう」と失敗した理由を考えると、今後、生きていくヒントが見つかるのではないかと思ったのです。そして、生き方や考え方を180度、変えてみようと決心しました。

 まずは、プロの世界にいたという過去の誇りを捨てることでした。当時、34歳。建設現場で働く18歳の職人さんから、「こんなことも知らないのか!」と罵声を浴びせらせる毎日だったのです。とても屈辱的で、何度も辞めたいと思いました。

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