少し前(2013年9月)のことになるが、オックスフォード大学の教授らによる論文『The Future of Employment (雇用の未来)』で、702に分類された米国の職業の約47%が、今後10〜20年で自動化される可能性が非常に高いという衝撃的な研究結果が公表された。

 これまでコンピュータによる自動化は、明確なルールに基づいて行われる定型的な仕事に限定されていた。しかし機械学習などのAI関連技術の飛躍的な進歩によって、非定形のコグニティブ(cognitive)な仕事の労働者も、コンピュータによって代替され始めるという。

 コグニティブは「認知」と訳されるが、仕事をする過程で発生する事象について自ら考え、学習し、答えを導き出すことが必要とされるものがコグニティブな仕事と呼ばれる。定型的な仕事は、その仕事で起こりうるすべての条件を、人間(プログラマー)があらかじめプログラムすることができるが、コグニティブな仕事を自動化するためには、コンピュータが人間と同じように自ら考え、学習し、答えを導き出すことが必要になる。