10月27日付のウォールストリート・ジャーナル紙は、中国共産党六中全会で、習近平が権力をさらに強化したという王とペイジ両特派員の解説記事を掲げています。その要旨は以下の通りです。

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「核心」という肩書き

 習近平は、六中全会において「核心」という肩書きを得た。この称号はかつて毛沢東と鄧小平、江沢民に用いられたが、胡錦濤には用いられなかった。習近平は、支配的な地位を獲得した。習近平は、来年の第19回党大会に向けて、仲間を集め、敵を弱体化させるだろう。また六中全会は党組織に新しい規律を導入した。この文脈において「核心」という呼び方には隠れた意味があり、習近平の権威に対する如何なる異議や抵抗も処罰の対象となるという見方もある。

 総書記に就任して以来、習近平は集団指導体制を放棄し、様々な領導小組の責任者となって政策決定権限を集中した。また、軍や経済など多くの分野で権力を掌握した。習近平は強硬策を用いると同時に、宣伝を通して民心を勝ち取る努力をしてきた。反腐敗キャンペーンはその最たるものである。民心を勝ち取り、ライバルを打倒してきた。また、国防や外交においても民族の復興を目指した積極策をとり、ストロングマンとしてのイメージを作っている。

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