ネットオークションの買い手が、「売り手が詐欺師だったらどうしよう」と考えたら、オークションが成立しません。売り手は自分が正直であることを知っていても、買い手にそれを知らせるのは意外と大変なので、売りたいものも売れないのです。このように、当事者の一方が知っている情報を他方が知らない場合、正直者が損をする可能性があります。「情報の非対称性」がもたらす問題です。今回は、こうした可能性について考えてみましょう。

ネットオークションは、売り手の評判が買い手に見える仕組みが重要

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 ネットオークションの場合には、正直な売り手は「商品を受け取ってから代金をお支払いください」と言うことで、自分の正直さを相手にアピール出来ます。しかし、今度は買い手が嘘つきで、代金を払ってこない可能性が出て来ます。今度は買い手が売り手に自分の正直を信じてもらうのが大変です。

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