ジェイムズ・クラッパー米国家情報長官は25日、北朝鮮の非核化を目指す取り組みは「おそらく成功しない」と述べた。

ニューヨークで講演したクラッパー長官は、米国ができることは北朝鮮の核能力抑制に留まると語った。

米国が長年目標としてきた非核化政策の実現性について、米政府関係者が公に疑念を示すのはまれだ。

しかし、米国務省は政策に変更はないとしている。

専門家らは、国際社会からの非難や厳しい経済制裁にも関わらず、北朝鮮の核・ロケット開発が近年急速に進んでいるようだと指摘している。

北朝鮮は先月、過去最大で5回目となる核実験を実施した。国際社会は強く反発し、韓国は「自滅行為」だと非難した。

クラッパー長官は2014年に平壌を訪問している。

外交問題評議会が主催したセミナーでクラッパー長官は、北朝鮮指導部が「被害妄想」に陥っており、核兵器が「生き残りの道」だと考えていると語った。「したがって、核能力の放棄という考えは、どんな形であっても、彼らにとってあり得ない」。

クラッパー長官は、金正恩朝鮮労働党委員長に対しては、核兵器を制限させる経済的なインセンティブを提案する方が良いと語った。

これに対し国務省は、米国は6カ国協議の再開を依然として目指していると述べた。北朝鮮は2009年に協議から離脱している。

米国は、韓国に地上配備型迎撃ミサイルシステム「終末高高度防衛(THAAD)ミサイル」を近く配備しようとしているが、中国と北朝鮮は反発している。

米韓両政府は、THAADの配備は北朝鮮の脅威に対する防衛措置だと主張している。

(英語記事 James Clapper says North Korea denuclearisation a 'lost cause

提供元:http://www.bbc.com/japanese/37771938