【大人の遠足】校長自ら金策に走り小学校再建 「五倫文庫」には世界の教科書が３万２０００冊も 千葉・御宿町歴史民俗資料館

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2016.10.15 08:00

【大人の遠足】校長自ら金策に走り小学校再建　「五倫文庫」には世界の教科書が３万２０００冊も　千葉・御宿町歴史民俗資料館

五倫文庫内で国民学校満州図画（満州国政府）」などのページを開く斎藤理事＝千葉県御宿町久保

　千葉県御宿町では、歴史民俗資料館内に「五倫文庫」が静かにたたずむ。その生い立ちには、教育のために奔走した伊藤鬼一郎という教師の生き方が見えてくる。読書の秋を迎えに、先人の熱い思いに触れてみてはいかがだろうか。

　先人の思い今に

　五倫文庫は昭和24年に開設され、世界70カ国の教科書3万2千冊以上を収蔵する。アメリカ、イギリス、スペイン、ルーマニア、エジプトなど多くの国の近世の初等教育向け教科書などを保管している。

　明治中期、伊藤が御宿小学校の校長だった当時、台風で校舎が倒壊。子供たちは寺などで教育を受けた。当時は日露戦争開戦前夜。県や軍に再建を要望したがかなうことはなかった。心を痛めた伊藤は自分たちで金策に走った。明治41年から毎日5厘（お金の単位）ずつ集め始め、大正3年にようやく小学校が建った。

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