ジョナサン・ウェッブ、科学担当記者

「ルーシー」の愛称で知られる人類の祖先は、どこかとても高い場所、おそらく木の上から落ちて死んだのではないか。そんな可能性を示す新たな証拠が見つかった。

ルーシーの骨をコンピューター断層撮影(CT)スキャンで調べたところ、現代人が木から転落した時と同じような損傷があることが分かった。

ルーシーは320万年前に生存していた人類の祖先。化石は木の生えた低地で発見されたことから、死ぬ直前は枝の上にいた可能性が高いとみられる。

ルーシーに代表されるアファール猿人(アウストラロピテクス・アファレンシス)は生活の少なくとも一部を樹上で送っていたと考えられてきた。今回の発見は、その説を裏付けることになる。

米国とエチオピアの共同チームが英科学誌ネイチャーに、ルーシーの死の原因は「垂直減速事象」、つまり転落の衝撃だったとする論文を発表した。

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