蓮舫・野田コンビは腐った果肉をそぎ落とせるのか 9月17日
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【産経抄】蓮舫・野田コンビは腐った果肉をそぎ落とせるのか 9月17日
出勤途上、国会近くのイチョウ並木を歩く。16日朝は、白みがかっただいだい色のギンナンの実が、仲良く2つ歩道に落ちていた。秋は確かに深まっている。「天匂ふ 落ぎんなんを ふたつ踏み」(秋元不死男)。ギンナンの種は、火を通すとエメラルドグリーンに輝き美味だが、果肉の異臭は強烈である。
▼民進党の蓮舫新代表は同日、党ナンバー2である幹事長に、野田佳彦前首相を起用した。蓮舫氏は野田グループに所属し、1日の小紙のインタビューには「私はバリバリの保守。野田さんばりの保守だ」とも強調するなど、野田氏は師匠筋に当たる。頼れる兄貴分でもあるのだろう。
▼台湾籍を保持したまま国政に携わってきた蓮舫氏が、果たして「バリバリの保守」かどうかはさておく。民進党内にはいまだに、前身の民主党が政権から転げ落ちたのは、野田氏が無謀な衆院解散・総選挙に突入したからだとの怨嗟(えんさ)の声がある。
▼野田氏が首相当時に、消費税増税の是非をめぐって民主党が分裂した事実もある。新体制となった民進党を迎え撃つ自民党側では、当時の経緯を知る長老が振り返る。「野田さんは立派な政治家だ。ただ、権力の維持という点では音痴だった」。
▼自身の国籍に関する説明がころころ変わった代表と、かつて党内統治に失敗した幹事長による二人三脚がスタートする。さて、これまでの己を反省して腐った果肉をそぎ落とし、有権者の味覚を喜ばすことができるか。両人の間に冷たい秋風は吹かないか。
▼先の長老は、野党が弱いままでは自民党に緊張感がなくなるとして、こうエールを送る。「民進党にはしっかりしてもらいたい」。余裕しゃくしゃくにも聞こえるが、存外、本心を表した言葉なのだろう。
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