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憲法上の制約… 皇室に非礼な姿勢を取ってきた政府 「生前退位」現行憲法のきしみと限界 8月27日

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2016.8.27 08:00

【産経抄】憲法上の制約… 皇室に非礼な姿勢を取ってきた政府 「生前退位」現行憲法のきしみと限界 8月27日

 天皇陛下が「生前退位」の意向を表明されたことをめぐり、政府内には今後の議論の進め方に関して2つの意見がある。各界各層の著名人らによる「有識者会議」を設ける案と、有識者の意見はヒアリングにとどめ、内閣官房の皇室典範改正準備室を活用して結論を得るというものである。

 ▼どちらにしろ、当事者である皇室のお考えを無視するようなやり方であってはなるまい。憲法4条が、天皇は「国政に関する権能を有しない」と定めていることから、陛下や皇族方のお言葉通りに動くというのは正常なあり方ではないが、かといって知らん顔を決め込むのは不遜だ。

 ▼「どうってことない」。小泉純一郎内閣当時の平成16年に設置された「皇室典範有識者会議」座長は、皇位継承者の一人だった寛仁親王殿下が女性・女系天皇容認方針に疑問を呈された際、記者団に言い放ったある宮内庁長官経験者は小欄に「あんなのは有識者会議ではない。無識者会議だ」と憤っていた。

 ▼橋本龍太郎元首相は有識者会議側に対し、何度か「せめて昭和天皇の弟で皇室最長老の三笠宮殿下のご意見は聴くべきではないか」と働きかけたがはねつけられた。小欄の取材にこう嘆いていた。「果たしてあの人たちが本当に国民を代表する人選か」。

 ▼その後、野田佳彦内閣当時の23年に「女性宮家」創設の検討が始まると、秋篠宮殿下が同年11月30日の46歳の誕生日に当たっての記者会見で、こう述べられた。「今後の皇室のあり方を考えるときには、私もしくは皇太子殿下の意見を聴いてもらうことがあってよいと思っています」。

 ▼政府は、憲法上の制約に苦慮し、皇室に非礼な姿勢を取ってきたのか。現行憲法のきしみと限界はここにも表れている。

 


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