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民主主義から逸脱するポーランド政治

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infinity>国際>岡崎研究所 [世界潮流を読む 岡崎研究所論評集]

民主主義から逸脱するポーランド政治

2016年07月12日(火)岡崎研究所

 6月2日付の英フィナンシャル・タイムス紙は、「ポーランドにはヨーロッパの警告を無視する余裕はない、EUとNATOのメンバーであることは西側の価値を尊重することを必要とする」との社説を掲載し、ポーランドは法の支配など民主主義の価値を尊重すべきであると論じています。社説の論旨は、次の通りです。

ワルシャワのダウンタウン(iStock)

ポーランドはEU成功物語

 共産主義崩壊後の10年、ポーランドはEUの成功物語であり、ソ連の衛星国で民主主義が花開く証左であった。しかし「法と正義」党が昨秋、選挙に勝った後、興奮は冷めつつある。この党の指導者カチンスキは、独立した司法、メディア、治安機関を統御しようとしている。EUとNATOの同盟国には警戒心が出てきている。

 6月1日、欧州委員会はポーランドが法の支配の原則に違反していると宣言した。EUが加盟国にこういう非難をしたのは初めてである。EUは特に、憲法裁判所に党の支持者を任命、法律の違憲判断を出す裁判所の権限を変更したことを問題にしている。EUが自分の意見を通せるかはっきりしないが、カチンスキがEUの要求を無視するのは賢明ではないだろう。

 加盟国の憲法変更をEUが非難したことは議論を呼ぶ。ポーランド政府は民主的に選ばれた政府である、EUは内政干渉をしている、と怒っている。

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