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すべては最後はピザになる 6月20日

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2016.6.20 05:02

【産経抄】すべては最後はピザになる 6月20日

 ブラジルのリオデジャネイロの住民はカリオカと呼ばれる。彼らはよく遅刻する。リオに日本から20年間通い続けているケイタブラジルさんは、デートの相手に6時間も待たされた経験をもつ。

 ▼ビジネスの場でも、ギリギリになるまで何も決まらない。そこから最終的につじつまをあわせてくるところが、ブラジル人のすごさだと、ケイタさんはいう(『リオデジャネイロという生き方』双葉社)。

 ▼そのすごさをぜひ、8月5日に開幕する五輪とパラリンピックに発揮してもらいたい。市内の競技会場や施設の整備は、なんとか間に合いそうだ。ただ、観客輸送の大動脈となる新地下鉄の開通が、当初予定の7月から開幕直前の8月1日にずれ込んでしまった。

 ▼中央政界では、五輪そっちのけの混乱が続いている。ルセフ大統領は、政府会計を不正操作した責任を問われて、職務停止となっている。それを受けて、大統領代行を務めているテメル副大統領にも、汚職疑惑が持ち上がった。ルセフ大統領の弾劾裁判は五輪の期間中も行われる。競技場近くで、デモが起きるかもしれない。

 ▼何よりブラジルが抱える最大の問題が、経済危機である。財政赤字に苦しむリオデジャネイロ州政府は、非常事態を宣言した。警察官らに給料も払えず、五輪開催の「義務を果たせない」というのだ。期間中には約50万人の観光客が海外から訪れる。果たして治安は確保されるのだろうか。

 ▼「すべては最後はピザになる」。ケイタさんから、カリオカがよく使う言葉を教わったオリーブやサラミ、いろいろ具材があっても、ピザになって腹におさまったら同じ。プロセスはどうあれ結果がよければオーライ、という意味らしい。それを願うばかりである。


タグ:産経抄
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